◇Trigger / “鎖”の再演
ScenePlayer/津嶋 皓 : 場所/黒羽高校 : 時間/当日・朝 : 登場/可
◇MasterScene / 緋色の呪縛
ScenePlayer/− : 場所/黒羽高校 : 時間/当日・朝 : 登場/不可
――時間は騒がしくなる数分前へ。
何時の間にか居なくなっていた“----”を探し、校舎内を駆け回る。 ふと視線を横に向ける。 そこには見覚えのある“----”の背があった。 あぁなんだ、こんな所に居たのかと。 扉を開け、その背へと手を伸ばし―― “その事”に気付いた時には、思わず間抜けな声を出していた。 あと少し。もう一歩踏み込めば届く距離。 ――なのに、“届かない”。 唐突に目の前の光景が歪む。その“----”は『彼』へ。『彼女』へ。『誰か』へ。 暗転、混じるノイズ。 自分の身体に絡み付くは緋色の鎖。 視界が赫く染まる。 声にならない叫びと共に、伸ばした手は虚空を掴み。 “----”はゆっくりと地へ伏せる。 鎖の音が聞こえたと同時、違和感。 まるで、何かに書き換えられていくような感覚に力が抜ける。 洩れた呟きはもはや声に成らず。 意識を手放す直前、背後の人物をその視界に収める。 最後の記憶。 自分を抱きかかえる腕に、何処か懐かしさを感じた。 “赫き呪縛”は哀しみを連鎖させ、強固なる“鎖”を形成する。 知れ。繋げ。戒めろ。――そう呟く声は果たして誰のものか。 “僕たち”に残された記憶を“知”る事で、鎖は更に“繋”がってしまった。 途切れる事無いそれは……まるで枷られた業の如く。 ……『ごめんね。』 |