その日。黒巣市西地区にて。路地裏で黒焦げの死体が複数発見された。 引き裂いたような痕と銃痕。並びに血痕。幾許か倒壊した設備。 黒巣警察は通報を受け検分。R事件として副署長並びに捜査班に権限委譲。捜査を開始した。 クロスタワー建設予定地。 周囲に散開し包囲するように移動していたテンペスト隊員が吊り上げられ。 地面にたたき付けられて絶命した。 ”亡霊の王”と呼ばれる男は銃弾を身体に受けつつも尚も前進し。目的地に一歩進んだ。 “ヴェディエール”は周囲が戦場となった事を再確認し。 向かって来た兵士を貫き。殺し。そして命じた。 射殺せと。 誰が敵とも知らない阿鼻叫喚の図が形成された。 レイ=フレッチャーはある程度わかりきった結末に溜息をつきつつ。状況報告を聞き続けていた。 ”フェノメノ”と呼ばれるセルと遭遇した事が想定外であり。被害を受けているにも関らず無為に退けない状況に難航していた。 UGN黒巣市支部としては何分自由に行動しているようだが。それも極極一部。 街の混乱を助長するかのようにFHの介入によるジャームが投下されたとの報告を聞き。 時間指定による滅却も止む得ないと思考を始めた。 コアは“ヴェディエール”。 |