□ExtraPhase-C / OnStage

◇MasterScene / オワリ * ハジマリ
ScenePlayer/− : 場所/市外の何処か : 時間/? : 登場/不可


――5回、コール音。



「……黒巣市? 埋めてある物を回収してとある奴に渡せだぁ?」

「確かに俺ぁ黒巣市を拠点としてた事もある。 だがそれは10年近く前の話であり、今は違う場所にいるんだが。」
「そもそも、侵入するのが先ず大変だろ。 出るのは更に大変だし……その辺りが如何にかなるってのならばまだ受けなくも――」

「…………それ、口からの出任せじゃねーだろうな? まぁ良い。んで?大まかに誰と接触して何すりゃ良いんだ。」
「――聴き覚えがある奴もいれば無い奴もいるな。 で、写真とかは勿論準備して――……はぁ?おま、送れないって何だよそれ。」
「其処から自力で調べろってか? ……まー写真程度の物でも市外に出すのは一苦労だし、分からんでもないが……」

「つか、決行日が早すぎるだろ常考。 そのプランだと、こっちは年始休みこれから返上しても間に合うかどうか微妙な線だぜ?」
「ま、妙に俺の腕を買ってくれてるってのは有り難いが。 流石に依頼受けるかどうか考える時間は少しくらいくれ。」

「――あぁ、突拍子も無い話続きですっかり聞き忘れてたわ。」
「アンタ、何者? 年始とハジメマシテの挨拶よりもまず最初に名前名乗れよ、依頼側として常識だろそれ。」
「報酬は全て完全に前払いとか、逆に気前が良すぎるって事を筆頭にして。 正直、色々と怪しすぎってレベルじゃないんだが――……」







――3回、コール音。



「――ええ、此度の件についての完了報告書を其方にもお送りしましたが……届いていますか、それは良かった。」
「私としてはこれで“前任の関係者”が忘れていったと言う物を、代わりに処理する事が出来たのですが――」

「……彼らの事に関しては計画を実行に移した私の失態ですね。 弁明するつもりもありません。」
「記憶している部分が残っている可能性――それを考慮に入れ忘れていたとは。 情けない話だとは思いますよ、自分自身。」

「……写真? ああ、何でも黒羽学園跡地で封筒に入ったまま放置されていたのが奇跡的に残っていたらしく。」
「“前任者”の御子息の名前が封筒裏に記載されているが如何するか、と。 処分に困るので、他と同じように任せる事としましたが。」
「しかし今回の切っ掛けを作る事となった“関係者”が御子息だったとは。 彼のお子様は娘さんだけだと思っていましたので、驚きましたよ。」
「彼も、ご家族も。亡くなられている今では如何でも良い事ですがね。 しかし“優秀”だった“前任者”に、僕は何時になれば近づけると言うのか――」
「……楽しそう? いえいえ、そんなまさか。」

「御忙しい最中、貴重なお時間を取らせてしまい本当に申し訳ありません。また何かあれば――……はい?」
「いえ、数人名前を聞いた事がある程度ですね。 直接会った事はありませんよ。」
「“昔”ならいざ知らず、あの街に長期的に滞在すると言うのも最近は無いですしね。 ……それが如何かしましたか?」

「今回の件を実行に移す代わりに、あの三人を指名したのと関係があると? ……あぁ、はい。またお暇な時に詳しくお聞かせ下さい。」
「それでは、そろそろ僕は失礼を。 今度は電話越しではなく、直接お逢い出来る事を楽しみにしています。」
「可能ならば、近いうちにでも。 ―――“  ”さん。」





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