□Introduction

”イスカリオテの発現”にて傷ついたものがある。
それでも”かさぶた”だけはうまく出来るようになっている。
皮肉にも。
”真実”によって突き刺した傷は深く鋭い。

未来。
翻弄され容易く変化するもの。
運命。
変わる事無く確定事実の事。

……本当に?

心の傷が癒えないと言う事は
確定された未来で
心の渇きが癒えない事は
確約された運命なのだろうか

一人の目覚めの物語。

ダブルクロス3rdEdition Masking Game Caseα
ダブルクロス。それは裏切りを意味する言葉。


Masking:「包み隠す」、「覆い隠す」などの意味があり、その意味の通り必要箇所以外を汚さないように隠す事。養生。



□HandOut

【PC1】   “怒れる拳”  水無月 燎
昨日と同じ今日。今日と同じ明日。
それが繰り返し続いていくと信じていた。今まで。

何でも無い事でむしゃくしゃしていた。
だから当たりもしないだろう占い師の席に座って当たりもしないだろうお小言を聞くことにした。

聞き始めて5分後。


これまでの事から──これから先の事まで明晰に告げられた。
家に帰り、そして昨日と同じ今日が数万日繰り返された。
外れる事の無い完璧な日常。なぞったような完璧な日常。
それに違和感を覚える自分が警鐘をならしていて。おそろしく息苦しい。苦しい。

首を掻き毟り涙を流した所で占い師の声が聞こえた。

『だから貴方はそれで。そこで終わるんですよ』

涙が出て。膝から崩れ落ちた。


【PC2】   “愚者の黄金卿” 栖條院 継
奈々市。
この街に住んでいる人は賑やかで明るい人が多いという。
自分もそう思うし、お祭づきとお人よしが多いのは気にもならなかった。

だから気のいい友人が倒れていた女性に手を貸して木陰につれていったのは別段気にも止めなかったし気にもならなかった。

だから。

友人が次の日の夜自分に電話をかけた後。行方知らずになるなんて想像もつかなかった。


ハンドアウト:『四之宮 小春』/友人


【PC3】   “未来の代弁者” 前原 澪
便りが無いのはいい知らせ。
だから日々に謀殺されている自分はそれに構う余裕が無かった。

だからこそ仕事場に現れ、本当に久しぶりに出会った彼の無事を手放しで喜び、酒を酌み交わせた。
友情も暖め、ほろ酔い気分になって帰路に着いた。

それは一夜の夢だと気づいたのは一通の手紙からだった。


ハンドアウト:『カッサンドラ』


□自己紹介

:「自己紹介……だと? なんで俺がそんなことを」
:「特に面白い事が言えるわけでもないだろう。しかし、断るのも悪そうだしな、姉貴に後で文句を言われそうだ。まあ、あまり期待はするなよ」
:「水無月燎だ。奈々市内にある公立校に通っている。単なる高校生だな」
:「大した特技があるわけでもないが、子供の頃から武道をしていたせいで、体だけは丈夫だな」
:「今は部活は特にしていないが、市内にあるボクシング・ジムに通っている」
:「腕前、か。俺は子供のころからやっていただけで、プロを目指すような連中に比べれば大したもんじゃない」
:「まあ、せいぜい喧嘩を売ってくる奴を後悔させてやれるぐらいだ」
:「……強いってことは、別に人間の価値を決めるわけじゃない。俺も最近分かったことだがな」
:仏頂面で目つきの悪い高校生。
:ボクシングはインターハイクラスの腕前だが、部活内でのトラブルから退部して以降は街のジムに通う日々。
:シンドローム:サラマンダー/ハヌマーン カバー/ワークス:高校生/格闘家
:HP34、IV4、
:現在未覚醒。単なるヒト科ヒト目の日本人。
:以上、よろしくお願いします

:「私は、一生徒である前に一チルドレンなのだ」
:「そこのところ勘違いするなよ、一般人!」
:栖條院 継(すじょういん つねみ)ブラックドッグピュアブリード
:孤児になってチルドレンとして育てられ、後に血縁が見つかった少女。
:今は、その家のから普通に学校に通いながら、チルドレンとして働いている。
:大金持ちの家に引き取られたものの、それまでがUGN内で過ごしていたために、金
:銭感覚は一般人よりやや下。
:それ以上に、チルドレンであることに誇りとアイディンティティを感じている。
:シナリオロイス 四之宮 小春 ■慈愛/□隔意
:「小春は人が良過ぎるのが問題だ…。私が気を付けてやらねば…」
:PC間ロイス 前原 澪 ■有為/□優越感
:「警官か…。対犯罪のプロでも、レネゲイドに関しては、私の方が玄人だがな!」
:以上です。

:「未来は既に決まっているの。――貴方の負けよ、犯人さん。」
:「……それにしても、最近少しキナ臭くなってきたわね。何も起こらなければ良いのだけど……。」
:“未来の代弁者” 前原 澪
:直情型の警部補な女刑事。
:キャリア組の割には事件が起こると現場に行きたがるタイプ。
:数秒先の未来を見通す事が出来るが、それらを全てを信じるわけでは無い。
:悲しみが待つ未来ならば、その運命を覆す為に。 今日も今日とて街を駆け巡る。
:SR:バロール/ノイマン
:HP:27/IV:7/侵食:34%
:シナリオロイス:“カッサンドラ”に□執着/■不快感
:「悪いけど、悲劇の予言なんて成就させる訳にはいかないの。 ……それも私の前でなんて、尚更よ。」
:PC間ロイス:水無月 燎君に□信頼/■不安
:「ああ、あの時の……。 結局あれ以降会う機会は無かったけど、元気にしてた?」
:以上にて。宜しくお願い致します。

GM:──ちりん。