□+ Scene 10 _"形見" +  ScenePlayer/前原 澪

GM:『カッサンドラのコードを受けたけれどね。私はそれが悪い意味だとは思ってない』
GM:『だって自分が悲劇になる過程を理解すれば。それを避けるように人に助言が出来るから』
GM:『だからある意味誇りなんだ』
GM:”カッサンドラ”大河原なつみは以前そう君に零した事はあった。

GM:その彼女は。
GM:生前の希望で海に近い墓地に入れられた。
GM:今日も一人。同僚の死を悼む者によって花束が捧げられた。
GM:彼女の死は『奈々市を騒がしていた連続通り魔の手によるもの』として処理された。
GM:犯人は──UGNの手によって偽装された。表に出す事はできない。
:「――貴女は死ぬ直前までも、あの意志を貫き通す事が出来たのね。 ……本当に立派なものだと思うわ。」
GM:彼氏もファルスハーツのエージェントの手によって殺害されていた。そしてこれも。表に出せない。
:あの時、偽者がその皮を剥がした時に告げた言葉を思い返す。
:……彼女が殺される未来に気付けなかったのは、今でもとても辛いけども。
:その事だけでも知る事が出来たのは、良かった事だと思いたい。
GM:ジャームとなって処理された彼の死は。棺を空にして葬儀が進められた。
:「……そして、貴女の最後のメッセージ。 気付かなくて……本当に、御免。」
:花を添え、墓前にハンカチで包まれた指輪を置く。
GM:あの事件を告げるものはもう数少ない。
GM:目の前の指輪。
GM:鈍く輝いたそれは。もう単なる物品。
GM:彼女が填め。幸せに至る未来は存在しない。
:「……どれだけ“超越者”と呼ばれる存在だろうが、私たちは万能じゃないんだよね。やっぱり。 けど……」
:「悲しい結末に向かうまでに、足掻き続ける事は幾らでも出来る。 ……そうよね。」
:「だから、後悔は此処に置いて行く。 悲しみはすれど、引き摺って、それが原因でまた零し落してしまったら何の意味も無いから。」
:「――貴女の分まで、他の人に助けを渡せれるように。 見守っていて。」
:黙祷。
:そして、それ以上眠りを妨げないように。 静かに去っていく。



□+ Scene 11 _"日常" +   ScenePlayer/栖條院 継 

GM:任務を片付け。
GM:いつもどおり学校に向かい
GM:着座すると。前の席に小春が座っている。
GM:休みが続いたのでクラスメイトに囲まれて談話している様子。
:「ふあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ! …ん、小春か! 今日は、学校に来られたのだな!」
GM:小春は君に気づき。他のクラスメイトに一声かけて。
小春:「そうそう。やっと少し肩の荷がおりたよー」ご心配をおかけしました、とばかりに。
:「たまには休むのもいいのだ。…まあ、私だったら、二日で飽きると思うのだが…」
GM:携帯を操作して君に見せる。小春に少し似た女性と赤ん坊がうつっている。
小春:「休みより学校の方がいいのかなー。継は」おおー。
:「退屈が嫌なのだ。一人で家にいるよりも、誰かと話している方が楽しいのだ」
:「それにしても、赤ちゃんは可愛いものなのだ…」
小春:「それもそうだね」うんうん、と。
GM:小春は「ん。ああ。んー」と一捻りして。
GM:鞄をがさりと漁る。
小春:「継。これをあげよー」
GM:映画の試写券。
:「む、なんなのだ? 福引券か?」
:「おお、映画か…」
:「………」
小春:「『なんだか』『継には赤ん坊の件で』『お礼を言わないといけない』気がしたんだよね」
小春:「なんだっけ!」本人に聞く小春。
:「まままままままさか、デートの誘いなのか? しかし、私はノーマルなのだ…!」(マテ)
小春:「じゃあ私といい所行こうぜ…」(マテ)
:「いい所!?(ドキドキ)」(マテ)
小春:「そう…いい所さ(ずずい)」(マテ)
GM:そういった所で担任にすぱーんすぱーんと頭を叩かれます(何)
:「あーんな所か!? やはり、あーんな所なのか!? あうっ!?」
GM:担任「馬鹿やってないで席に座れ。ホームルームはじめるぞ」
小春:「あたた。病人なんだから手加減を…」お慈悲を・・・(何
:「…あとで覚えておくのだ、暴力教師め…。…自分は相手がいないからと…(ブツブツ)」(マテ)
GM:担任「と・り・あ・え・ず。最近物騒だから夜遅くに繁華街などうろつかないように!」注意事項の伝達。
GM:カツカツカツとチョークで書く。
GM:その話がはじまった際に小春が少しぼーっとして。
GM:担任の「じゃあ出席」といった際には
GM:「なんだっけ?」と首を捻っている。
GM:「ああ。継。ま、考えておいてよ」と
GM:小春は言ったまま。机に突っ伏して寝る。
:眠ってしまった小春を見て思う。―――ああ、私は嘘付きだ。
:あったことを覆い、包み、隠し、無かったことして、笑う。
:“人外”の所業。それでも。
:自分を誇りに思えるのは…この日常があるからだ。
:だから、また頑張ろう。
:ずっと、護って行くために―――。



□+ Scene 12 _"未来" +   ScenePlayer/水無月 燎

GM:『僕──いや僕らは君の選択について何も言えない』
GM:『彼女達が戦うのはもう当然の事であり。力に目覚めたばかりの君を巻き込みたくないのは君にもわかるだろう』
GM:『でも君が立ち向かうなら。その理由は聞かない』
GM:『もし彼女等の身を案じて、なら僕は代わりに言うよ』
GM:『ありがとう』

GM:数日前の樫村との会話。

:「それほど深い考えがあったわけじゃ……ないさ」
:思い返して呟く。
GM:今。彼の上司がこの街に来るらしいので。今回の件も含めてお礼がしたいとの事。
GM:そんな訳で駅前広場で待ち合わせ。
:「上司か」
:どんな人間やら。どうにもUGNは雑多な人間のあつまりという印象が拭えないが。
GM:「お待たせしました」
GM:仕立てのいいスーツに身を纏った温和そうな男性。君の姿を見て微笑む。
:「貴方が?」
:一応の礼儀を考え、制服姿の上に、古着屋で見つけたお気に入りのジャケットを羽織った姿で来ている。
男性:「はい。霧谷雄吾です。この度はありがとうございました。重ねて御礼申し上げます」
GM:躊躇い無く頭をさげる。
:「いえ。俺個人としては、良いことをしたとは思ってませんから。……結果的に彼女らを助けられたんであれば、それ自体はどうにも」
:「改めて、水無月燎です。樫村さんたちの上司の方と伺いましたが」
霧谷:「はい。樫村君──彼がこの街にある支部の責任者とするなら私は日本という地域を統括する役職にいます」
GM:霧谷は立ち話はなんですから、と近くのベンチを勧める。
:「は?」
:「あ、ええ」
霧谷:「UGNというのは世界各地にレネゲイド事件を解決する為に支部を遍在させています。この奈々市…もその一つです」
:戸惑いつつも座る
霧谷:「その日本に存在するUGNの支部を統括しているのが私です。」
霧谷:「樫村君が自分自身を店長といったのなら私はエリアマネージャーが適職ですね」
霧谷:「ちょっとだけ話を戻しましょう」
:一国の統括はエリアマネージャーなのかよ……と内心ツッコミつつ
:「ええ」
霧谷:「私達UGNがレネゲイドに感染して覚醒した者の保護を目的としているのはもうお聞きになったと思いますが」
:「それだけ……ってわけでもなさそうですね」
霧谷:「レネゲイドの力を利用してテロ行為を行なうものがいます」
霧谷:「それが先日水無月さんが会ったファルスハーツのエージェントなのですが」
GM:まぁ。権限的にはエリアマネージャーみたいなものですよ、と目線で流す。
霧谷:「どうやら水無月さんの存在が件の組織に印象付けられてしまったようです。ディアボロスを退け、カッサンドラを倒した事で」
霧谷:「これから」
:「それが本題ですか」
霧谷:「水無月さんの回りにて先日のような事件が起きてしまう、いや。あなた自身知らないままの筈の事まで知ってしまう事が出てきます」
霧谷:「勿論私達UGNはそのような事件を解決する為に尽力します」
GM:霧谷は君の方を見て
霧谷:「貴方にも力を貸してもらいたい」
:「要は互助協力の関係を結ぼうってことですか」
霧谷:「そうです」
GM:霧谷は微笑んで。
:「そういうストレートな物言い、嫌いじゃありません」
霧谷:「我々がオーヴァードであると言えるのは。その力の源が人と人。日常との繋がりにおいてなりたっていると理解しているからですよ」
:「正直今の俺は、自分の先を見失ってます」
:「この誘いを逃げ場にはしたくない」
霧谷:「そうですか」
:「ですが、新しい価値観を身につけるには、視野を広げるべきなんですよね」
霧谷:「強制はしません」
:「一つだけ、条件が」
霧谷:「はい」
:「栖條院に、俺の名前をきちんと覚えるように言っておいてくれませんか?」
:どうやら存外、長い付き合いになりそうな。あの小生意気なお子様の名を出して笑う。
:で、握手を求めるように手を差し出して……こちらからは以上ですの。


GM:未来は
GM:過ぎ去った過去はかえられないけれど
GM:未来は
GM:はるか遠き未来はまだわからないけれど
GM:一歩先の未来は
GM:変えられる
GM:きっと

GM:心の傷は
GM:きっと
GM:癒える